すーぎののリフィル

ちょっと長めに考えて置いておくところ。

仰げば尊し

『恩師』とはやはり先人のみなさんなかなかどうしてよく言ったものでまぁもうそれはそれは先生に迷惑をかけてかけてかけ倒して幼少期をすごしたすーぎのにとりますれば恩師というほかない方々はほうぼうそこかしこにいらっしゃいますがその中でもとりわけ小学校中から高学年のあたりでお世話になりました先生方に関しましてはまさしく恩しかないといいますかむしろ申し訳なさしかないといいますかもちろん感謝もあるといったところでございますけれどもなにしろ正直ほとんど記憶がないものでございますので迷惑をかけたなぁありがたいなぁという感触だけが残っているとこういう次第であります。

…まで書いたところでインターンで担当していただいてお世話になった中学校の英語の先生が同じ電車に!!!!!!!マジか!!!!!!!

もし声かけて今どうしてるのって聞かれたら「教師と全然関係ない仕事を少ししてたんですけど辞めて今は無職です」としか言えないの申し訳なさすぎるから声かけれんかった……つら……

新井くん(仮名)、今でも見かけますよ。全然授業を聞いてくれなかった彼が焼肉屋でバイトしてるのを見かけていやぁ立派になったなぁと思ってたのに最近また見かけたらなんともまぁかっこつけた服を着て私より5個も6個も年下とは思えないいい男になっていてそれは驚きましたとも。

 

閑話休題(正しい用法)、

かくいう私も全然授業を聞かない子どもでございまして、授業中に平気で立ち歩いては机がいくつも離れている人にちょっかいをかけたりその人の消しゴムを奪って自分の席に戻ったりはたまた教室の後ろのランドセルを入れる棚の上を歩いたりしていましたね、ええ。

机がまっすぐ向いてることなんてないし、なんなら先生のデスク(小学校では教室の前方に先生のデスクがあった)の隣に机を移動させられてみんなの方を向いて授業を受けてたし、教科書を開いてるときはだいたい授業と関係ない部分を読んでたし、教科書を持って帰ったり時間割を揃えたりしたことも一度もないし、怒られるときには常に変顔をしていたし…いやこれ授業を聞かないってレベルじゃないよね???

 

そんな私が4年のとき、担任が変わって新しく担当になった松本先生(仮名)は、、、なんと新卒の女性でした。

今考えれば、誰だ担任決めたやつ馬鹿じゃないのか表へ出ろこの俺がぶん殴ってやると言いたい。

ぞっとしますよ。考えてみてください。

大学を出て、(採用試験が現役かどうかは流石に知らないけど)初めて教壇に立って目の前にこんなのがいたら………。

毎日その日の被害状況まとめるところからだし毎日他の先生と情報共有だし毎日先輩先生に対策相談だし毎日働きかけの方策思案だし毎日家に帰ってから反省会ですよ。間違いない。

ただでさえ残業残業の毎日なのにすーぎの一人の被害の分まるごとプラスアルファで仕事が増える(あるいは本来の仕事が進まない)。

それに加えて新任ですから、日々の指導案作成(全教科)とそれぞれの授業の感触のフィードバックをまとめて書き記すとともに次の授業にどう活かすか具体的に準備をして、それを踏まえて日々の教材を準備して、すーぎののせいで指導の予定と進捗がずれたらそのつど分単位で指導案を調整して、言うセリフと削るセリフを決めて、言い回しを工夫して、偉い先生が見に来る研究授業の準備をして……

それに加えて一般的な教師の仕事を覚えて、分掌された校務を覚えて学級通信作って連絡帳書いてテストの丸つけて成績つけるときの資料を更新して児童の名前と顔と性質を覚えてなんなら以前の世間話の内容や家庭の背景とかを踏まえた上で児童全員に目を配って常に笑顔でいて会話をして叱って褒めるんですよ?

 

書き連ねてマジでぞっとする…。ほんとに申し訳ねぇ…。

睡眠時間何時間だったんだろう。毎日泣いててもおかしくない。実際泣いて指導された記憶もあるし…。

 

何が申し訳ないって、すーぎのの記憶というか認知が…その日が何曜日かとか、次はなんの教科の時間かとかを全然わからないで生きてたから、具体的な、何かに紐付いたエピソードというものがほとんどないんだよな……。

 

でも、具体的に「〇〇なエピソードがどうこう」ということではないんだけれど、間違いなく真正面からしっかりと考えてくれていたと思うし、今でも顔や名前(名字だけど…)をしっかりと覚えているから、きっとそういうことです。

上に書いたような仕事を(仕事以上のことを)全部やって、きっと泣きながら毎日をすごしていただろうけれど、でもみんなの前では笑顔を絶やさずに、1年間私のことを見てくれていたのでしょう。とってもかわいい笑顔が今でも印象的であることよ。

ありがとう松本先生(仮名)。

 

 

実際先生やってる人なんて全員超人ですよ……

先生になるために生まれてきたような、天職としか思えないくらいにカポッとハマって仕事が支配できてる人、

等身大の人間で、別に仕事が回るとか回らないかとかそういうんじゃなくて単にとにかく全部背負って死ぬ気で必要な仕事を終わらせた上で子どもの前で平然と"先生"を演じきれる人、

まぁアホほどサボり方がうまい人生最適化検定1級みたいな輩もいますが…どうやったら指導要領の内容をカバーした上で授業の枠一個余らして視聴覚室でギター弾き語りする時間とれんだよ魔法使いかよ。

でもそれら全員、子どもと関わり続ける仕事に人生を捧げる決意をして、実際致命的な事故なく数十年、子どもに関わり続けて仕事を回せていける人間であることには変わりがないのです。全員超人。すごい仕事をやっているよ。すごいんだよ。

 

 

う〜ん、ほんとだったら、こんなだったすーぎのがこの人と出会ったおかげでなんとか座って授業が受けれるようになりました…!みたいな話ができたらよかったんだけど、思い浮かばないんだよな…先生泣かせだよ本当に。

 

すーぎのが落ち着いたのなんて4年生どころか…いや待てよ、すーぎの落ち着いたか…?

中学も廊下走り回ってたしなんなら走ってる勢いで1,2回頭打って気絶してるし、走ってる勢いで来校者用の扉のガラスを破砕したし(学校に来た人全員が見る扉です本当にすみませんでした)、ワイシャツの中に赤いTシャツを着てワイシャツも学ランもボタン1個しかとめてなかったし、全校放送で「○年△組の杉野くん(仮名)、今すぐにそこから降りなさい」って言われたし、後ろの席の元山くん(仮名)の机を椅子で押し続けて勉強を阻害してたし授業中ひたすらペン回ししてたぞ…?

高校でも相変わらず時間割は気にしなかったし本読みまくってたし自分がどんだけ浮いてるかも特に気にしてなかったぞ…?(浮いてる自覚はあったけど。)

高校では走り回ったりとかはなかったと思うけど、単に友達作れなくてちょっかい出す相手もいないし攻撃されるのが怖いしで立ち歩いたり走り回ったり声を出したりが若干引っ込んだだけじゃないか…?

少なくとも高校の教師はクソばっかりだったから教師のおかげでないことは間違いないしな。(国語の先生と家庭科の先生を除く(名前を覚えていない))

 

まぁでもやっぱり、原因近因遠因こみこみで、「先生のおかげ」で今があるとしたら、間違いなく松本先生(仮名)が大きいな。

あと中学の小島先生(仮名)と大村先生(仮名)。

思えばみんな「真正面からぶつかってくれた」と思える人々だ。

きっと、自分の中に大きく残る存在というのはそういうものなのだ。

 

すーぎのは元気です。ありがとうございます。

 

「恩師」お題箱より。